


石鎚 山太郎 さん
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どのような企業か教えてください
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当社は愛媛県初のご当地プロレス団体『愛媛プロレス』を運営し、プロレスを通じた地域活性化に取り組んでいます。選手たちは県内外のイベントに出演し、愛媛の魅力をPR。企業や自治体と連携しながら、地域密着型のエンターテイメントを提供し、愛媛の元気を全国に発信しています。
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接触頻度が文化浸透と地域エンタメの未来にどのような影響を与えると考えているか教えてください
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例えば、韓国ドラマが流行ったり韓国文化が浸透してくると、食や音楽、家電などが日常生活に溶け込むようになります。毎日「韓国」と接していると、他の情報や文化が入り込む余地がなくなるように接触頻度が増えるほど、その影響も大きくなります。松山を例に考えると、最近、新しくできる店は韓国系が多いと感じませんか?スーパーの商品棚を見ても、以前はキムチの棚が1列だったのが、今ではかなり多くのスペースを占めるようになりました。白菜キムチだけでなく、種類も増えています。これは「エンターテインメントの力」が影響していると言えます。エンタメは接触頻度を高め、その対象を売り込む重要なツールになります。しかし、地元に根ざしたエンタメがなければ、地域の人々、とりわけ子どもたちの心が地域から離れていってしまうのではないでしょうか。
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エンターテインメントはどのようにして国際的な影響を生み出し、社会や文化に変革をもたらすと考えているか教えてください
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『ナルト』のような作品は忍者文化を世界に広め、多くの人が日本に興味を持つきっかけになっているように、日本の漫画やアニメもエンタメの一例で海外から多くの注目を集めています。知り合いが日本人というだけで現地の人に写真を頼まれるという話もあり、それほどエンタメの力は強大だと思います。
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エンターテインメントは地域活性化にどのように貢献できるのか、その具体的な手法や可能性を教えてください
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エンタメを通じた地域活性化の一環として、プロレスが挙げられます。プロレスは老若男女問わず楽しめるコンテンツであり、観客が共感できるストーリー性を持っています。例えば、敵が味方になったり、仲間が裏切ったりといったドラマが展開されることで、リピーターを生み出していると考えています。また、プロレスは単なるスポーツではなく、地域の文化や魅力を発信するためのツールとなっており、地域の特産品や観光地をPRする場としても活用されています。愛媛プロレスは、このコンセプトをもとに活動を展開しており、県外にも進出しています。例えば、東京ドームでの試合で「愛媛」や「石鎚山太郎」をアピールし、多くの観客の記憶に残るような取り組みを行っています。
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外需獲得は地域経済の発展にどのような影響を与え、どのような戦略が効果的か教えてください
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プロレスや他のエンタメを通じて県外や海外から人を呼び込むことは、外需獲得につながります。例えば、広島で野球やコンサートが同日開催される時は、県外からも多くの人が訪れ街全体が賑わうように、人が移動することで、交通費、飲食、宿泊費といった形で地域経済が活性化します。
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販促費は地域密着型エンターテインメントの成功にどのように影響を与えるのか、その最適な活用方法を教えてください
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愛媛のエンタメコンテンツが外部のエンタメに依存せず、地域に根ざしたものになるためには、コストパフォーマンスの良いコンテンツが必要です。愛媛プロレスは地元企業や商業施設の販促費をターゲットに活動を行い、地元にお金を循環させる仕組みを構築しています。例えば、商業施設でのイベントでは、アンパンマンショーに匹敵する集客力を持ちながらもコストを抑えることを目指しています。韓国文化が「冬のソナタ」やK-POPを通じて浸透したように、愛媛でも地域特有のエンタメを育てることが、地域のアイデンティティを守り、外部文化への過度な依存を防ぎ、長期的な目線で見た”地域密着型エンターテインメントの成功”となると考えています。
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取材を終えて
今回の取材を通じて、エンターテインメントが地域活性化に果たす重要な役割を再認識しました。特に、愛媛プロレスが地域に根ざした活動を通じて、地元の魅力を再発見し発信している姿勢が印象的でした。 エンターテインメントには、人々の接触頻度を高め、その対象を日常生活に溶け込ませる力があります。韓国文化が「冬のソナタ」やK-POPを通じて浸透したように、愛媛でも地域特有のエンタメを育てることが、地域のアイデンティティを守り、外部文化への過度な依存を防ぐ鍵になると感じました。プロレスは単なるスポーツに留まらず、地域文化を発信し、特産品や観光地をPRするツールとしても機能している点が興味深かったです。


制作リーフレット

