有限会社 澤井本舗さん
独自の発展・開発・研究を経て、今川焼きにルーツを持つひぎりやきを、松山のソウルフードとして確立。和菓子というイメージが強い中、スイーツ系のひぎりやきの開発にも注力し、さらなる進化を続けている。100年以上、松山の人々に親しまれている老舗菓子店。
PROBLEM
企業の課題『課題』価格を下げず、これからも
ひぎりやきを松山の人に食べて続けて欲しい
-
ひぎりやきは100年以上、たくさんの松山市民に親しまれているお菓子です。価格は100円〜150円、この価格を下げずにたくさんの人に食べ続けて欲しいと思っています。また、現在の客単価が400円なので、その価格が少しでも上がり、さらに街に来たついでにひぎりやきを買って帰るのではなく、ひぎりやきが目当てになるともっと嬉しいですね。若い人たちの感性でどのようなひぎりやきができるのか期待しています。ひぎりやきに新たな可能性を持たせてください。 ひぎりやきは、元は今川焼きです。製造機械がありますので形を変えることはできません。北海道産の小豆を使った独自製法の自家製あんが自慢なので、この小豆あんを使っていただいても良いですし、他に思い切ったアイデアがあれば提案してください。ひぎりやきは、松山市駅の前にある本店横の善勝寺の日切地蔵尊から名をいただいています。日切は日を切って(日を決めて)願掛けをすると、願いが叶うということが由来です。若者の皆さんならではのアイデアを期待しています。
TEAM IDEA
各チームのアイデア-
Aチーム
食べた瞬間から香る良い予感
利用シーン:勝負する人たちの応援アイテム
大切な試合の前や受験前など、勝負事の前に応援するお土産として渡す。生地に伊予柑の風味を練り込み、中身は澤井本舗さん自慢の小豆あんを使用。箱に「必勝」(選択可能)などのスタンプをして提供する。
-
Bチーム
やる気ON!小腹が空いたらひぎりやき
利用シーン:学校や塾の行き帰りで小腹が空いたとき
コンセプトは、「松山の学生のやる気スイッチ」。「これから勉強を頑張るぞ!」というときに、ひぎりやきを食べることでやる気を出す。お腹は満たされるが、満腹になりすぎないちょうど良い大きさなので、勉強中に睡魔に襲われることもないハズ!
-
Cチーム
頑張った思い出作りに
利用シーン:勉強の合間のエネルギー補給
いい予感の伊予柑、花言葉が「幸運」のサツマイモ、低カロリーなヨーグルトの3種類の味を提案。ひぎりやきの名前の由来通り、学生の願掛けや勉強の合間のエネルギー補給に◎。またプロモーションとしては、CMソングと一緒に食べている様子をTikTokで発信する。
-
Dチーム
日極(ひぎめ)焼
利用シーン:目標をひぎりやきと一緒にSNSで発信
コンセプトは「必勝」。ひぎりやきの名前の由来通り、目標とそれを達成する日付を決めてSNSで発信し、宣言する。人に宣言することで目標が達成できるように自分を奮い立たせるのが狙い。味はエネルギーになりやすいバナナ味を提案。
-
Eチーム
必勝
利用シーン:差し入れ
キャッチコピーは「オリーブで頂点へ」。「勝利」が花言葉のオリーブを使った商品を展開する。ひぎりやきの中身の味はバナナ味で、小さな容器にオリーブオイルを入れて、その場でかけて食べる。かけている様子をポスターにしてお客さんに訴求する。
-
Fチーム
おみくじひぎりやき
利用シーン:おみくじ感覚で運試し
ひぎりやきを入れる袋におみくじの仕掛けをして運試し。大吉が出たら次回使える無料券をプレゼントする。味は、「いい予感」と掛けて伊予柑味。県内産の伊予柑で地産地消もPRできる。「今日の運勢」など、友達と食べ歩きをする時にも盛り上がる。
-
Gチーム
ひぎりやきくじ
利用シーン:年末年始、特にお正月のおみくじ感覚
お正月のおみくじのようにひぎりやきをおみくじに例える。味はお正月らしく「栗きんとん」。ひぎりやきの中身は栗ペーストだが、10個に1個、栗の甘露煮が入っている。甘露煮に当たった人はラッキーなので、思わずSNSにアップしたくなり、プロモーションにも繋がる。
澤井本舗さんに採用されたアイデア1位と2位
【講評1位】Aチーム
-
「勝負する人たちのための応援アイテム」というコンセプトから味に関するところまで、商品開発の点において全体的にきれいにまとまっていたと思います。スタンプというアイデアが低コストでお客様の希望によって提供しやすいので、オペレーションの部分もやりやすいと感じました。
【講評2位】Gチーム
-
栗の甘露煮がおみくじ的に入っているという商品アイデアは面白いと思いましたが、ひぎりやきはたくさんの商品ラインナップがあるため、お客様への提供オペレーションが少々大変かなとも感じました。しかし、そこをクリアにできれば商品としては非常に魅力あるものになると思います。
有限会社 澤井本舗
代表取締役
澤井善一郎さん
この度、当社「ひぎりやき」を題材に選んでいただきありがとうございました。 「ひぎりやき」は大正時代より続くお菓子で、私が3代目となります。継承した頃からの問題意識として有るのが、長く販売して来た商品だけに、イメージや味を変える事の怖さと刻々と変わる社会とニーズの変化にどう対応していくかの難しいすり合わせでした。 今回のマツワカメンバーには、企画時間もタイトな中、いろいろな発想や提案をいただき、ありがとうございました。「日を決めて願をかけると成就するという日切地蔵の名前をいただいた商品ですので、勝負『受験で!スポーツで!』で勝つ」という企画を採用させていただきました。他の皆さんの企画も含め、弊社環境の再確認と新たなチャレンジへのきっかけをいただいたと思っております。 商品の開発は、現在進行中ではございますが、2021年のGW明けには販売できるように準備中です。 単価が安く、賞味期限が短いというネックが有るだけに、お客様に来店していただくという一手間が無駄にならないような面白く美味しい商品を目指します。 参加したメンバー全ての方が、企画・立案の難しさを認識したと思います。社会に出た時に役に立つことを願っております。