重松 司さん
愛媛県松山市出身。広島大学を卒業後、株式会社明屋書店に入社。県内の店舗や本社の販売促進などを担当し、現在は平井店の店長を務めている。趣味は登山で、石鎚山の頂上山荘でいただくカレーライスがお気に入り。もちろん読書も大好きで夏目漱石「坊ちゃん」がお勧め。主人公の毒舌と破天荒ぶりが痛快なので、まだ読んでいない人はもちろん、昔読んだ人にもぜひ読み直してもらいたいと思う。
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なぜ明屋書店で働こうかと思ったのですか?
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単純に読書や本そのものが好きで、好きなことを仕事にしてみると楽しいかなという思いが第一にありました。大学などで県外に出たこともありましたが、やっぱり地元の明屋書店を受けてみたいと思い、採用していただいたので働こうかなっていう感じです。
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店長というお仕事のご苦労を教えてください。
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店長の仕事は業務の幅が広く、 ヒト・モノ・カネの管理っていうのをよく言うのですが、スタッフが気持ちよく働けるように指揮をとったり。モノは本ですよね。仕入れの最終責任者にもなります。あとカネですよね。これは何のお金っていうのをしっかり数えて、お金を管理していかないといけないって部分があります。
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成功体験を教えてください。
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最近開催したオータムフェアで、スタッフさんからバルーンアートを子どもにプレゼントする企画のアイデアをもらいました。準備や製作に時間が掛かり大変でしたが、子どもたちがすごく喜んでくれました。お客さんに喜んでもらえ、スタッフさんから意見を出してもらってみんなで楽しんでやれたことが本当によかったと感じています。
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本を売るための工夫を教えてください。
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私は誰に売るか、ターゲットを絞って売るということを意識するようにしています。本屋さんには老若男女問わず様々な人がいらっしゃいますが、例えば、学生さんだったら「S N Sでバズってます!」とか、子育て世代だったら「実際の子育てです」とか。メインターゲットにプラスで別の人も購入してくれれば嬉しいなと考えています。
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電子書籍などのデジタル化の波が来ていますが、重松さんが思う紙ならではの魅力は何ですか?電子書籍をライバルと捉えた方がいいのでしょうか?
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集英社が作っている「ジャンププラス」って皆さん知っていますかね? 紙の本のジャンプも人気ですけど、まあバランスよくですかね。相乗効果による影響も間違いなくあるので、一方的にやられちゃってるということでもないのかなと私は思っています。
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好きな小説家は誰ですか?
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最近は今村翔吾さんという作家さんにハマっています。時代小説を書いている人なのですが、アニメや映画を見ているような感じですごくのめり込めるんです。最初からクライマックスみたいで、キャラクターには読み始めたばかりなのになぜか「好きだな」と思わせる魅力があります。
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どんな人に本を読んでもらいたいですか?
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書店って本当に幅広い年齢層の方が来られるんです。その中でも、読書習慣をつけるという意味では皆さんのような学生さん、もっと小中学生ぐらいから本を読んでほしいという思いがあります。本のジャンルは問わず、本当に楽しめるものを小さなときから読んでくれると嬉しいなと思います。
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松山で働く良さや魅力は何ですか?
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実家から10分の地元である平井店で働いていて、友人や知人、知り合いもよく来てくれるんです。平井町のゴミ清掃に参加した際などに「ああ、店長頑張ってるね!」と声を掛けていただき嬉しく思います。それもまた交流になり楽しいと感じますし、地元で働けるというのは魅力に感じますね。
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松山の好きなところや好きなものを教えてください。
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パン屋が多いのいいですよね。ラーメン屋も多くて、グルメ的にも最高です。あと、スーパー銭湯のレベルが高い!加えて、松山って立地がいいと思うんですよ。空港が近くて中心地からすぐ行ける。遊ぶのにも働くにもいいと思います。 あと、人のマナーがいいと思いますね。”まじめえひめ”とも言いますが、人のことを考えられる人が多いと思います。
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マツワカメンバーにメッセージをお願いします!
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私はずっと松山に住んでいたわけではないのですが、松山に定住してすごく良いと思うのは、定住していたらリセットがないので仕事でも人間関係でもどんどん積み重なっていくことです。例えば、友達が出来たら関係が続きますし、仕事をしていたらお店に来てくれた方が増えて顔見知りになる方も増えます。自分が将来どうしたいかを考えて生活して欲しいですね。
取材を終えて
インタビューをさせていただく中で、本屋さんの店長としてのやりがいやお店を守っていくことに対する責任感についてなど、貴重なお話を伺うことができました。また、重松さんのお話しにもあったように「将来どのように生きたいか」という視点で松山の街を考える契機となり、松山に住み続けることの良さや、日常に溶け込んでいて意識することが少なかった松山の魅力について改めて気づくことができました。