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インタビュー インタビュー
株式会社アップサイクル 愛媛代表取締役

大久保 仁志さん

愛媛県松山市出身。株式会社アップサイクル愛媛代表取締役。二級建築士、二級建築士施工技師の資格を持ち、建築関係の仕事に従事しながら、本来なら捨てられるはずの廃棄物にデザインやアイデアといった付加価値を持たせることで新たな商品に生まれ変わらせる、株式会社アップサイクル愛媛の事業を展開している。趣味はカレー。カレー好きのメンバーでカレー部を結成し、Facebookで食べたカレーを投稿する「部活」を行うなど、部長としてカレーの魅力を発信しているという一面も。

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    アップサイクルの事業を始めようと思った理由は何ですか?

  • 建築関係の仕事をしているのですが、建築系の仕事って大量の廃材が出るんですよね。うちだけじゃなくてどこの会社も処理に困っていて、ずっと廃材を何かに活用できないかなと模索していました。そんな時に、アップサイクルという言葉を知りました。直接、建築の廃材を利用するわけではないんだけど、廃材をリメイクして違う形のものを作れたら、世の中のためにもなるんじゃないかなと思ったのがきっかけです。 売り手良し、買い手良し、世間良しっていう意味の「三方良し」という言葉があるんですけど、この事業は、それにすごく当てはまるんじゃないかなって思っています。売る人だけが儲かるんじゃなくて買う人も満足するし、地域経済も良くなるっていうのが商売の原点だと思っています。

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    新しいことを始める場所として松山の魅力と感じるもの、場所やメリットを教えてください。

  • やっぱり人の良さだと思います。これは松山の地域性じゃないかなと思うけど、「こういうことがやってみたいんやけど、紹介してもらえんやろか?」って知り合いに相談したら、「いいよ、うちでやってみるわ」って言ってくれる関係性の人が、松山には特に多いんじゃないかなと思います。異業種の職業の人とつながりやすくて、何倍にも人脈が広がる、だから仕事をするにはあんまり困ったことがない、というか情報を入手するのに困ることがないですね。

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    アップサイクルは従来の3R(Reduce、Reuse、Recycle)とは違うとのことですが、具体的に何が違うのでしょうか。アップサイクルの一番の魅力や強みを教えてください。

  • どう付加価値を高めてブランディングしていくかにこだわっていますね。1,000円の原価なら5,000円や10,000円の販売価格にする。リサイクル商品って普通、通常の商品よりも値段が安くないと買わないじゃないですか。だけど僕らはそういったエコや3Rとは違って、ストーリー性やデザイン性にこだわることで付加価値を付けています。 廃材から素材を作って、それをデザイン会社、障がい者の方々とコラボして「それぞれの強みを生かして、世界に1つしかない1点ものを作る」というストーリーが一番の魅力や強みじゃないかなと思います。

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    バッグの素材となっているランバーカバーは、どこの国から輸入されたものなのですか。また、素材としてのランバーカバーの特徴を教えてください。

  • ランバーカバーは、レジャーシートみたいな素材で、耐水性が強いことが特徴です。 カナダ、アメリカ、フィンランドのものが多いですね。特にカナダが多いかな。 カナダって日本より環境問題にはるかに力を入れていて、木材を残さず全部使うんですよ。周りの皮とかもチップにしてバイオマス燃料とかにして、木を切ってもまた植林してゴミが出ないようにいろいろ配慮しています。でもカバーだけは何十年もリサイクルできず、カナダに返却された後に焼却処分されているんですよね。この現状に違和感を感じて、逆にその素材を使えないかと思ったことがきっかけです。 でも僕らが必死でバッグを作ったところで全部リサイクルできるってことは全く考えていません。僕はこれでゴミが一切なくなるとは思ってないし、ランバーカバーを利用することによって何%のゴミが削減できるとも思っていません。でも、こうやって問題提起をすることによって、そんな考え方があるんだって思ってくれるだけでいいですし、少しでも誰かの意識が変われば嬉しいなと思っています。

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取材を終えて

廃材に付加価値を付けて、新しいものを生み出す。アップサイクル愛媛の取り組みに対する大久保さんの熱い想いを聞かせていただき、大変貴重な経験ができました。 「誰かの『やってみたい』を松山のいろんな人が協力して助けてくれるから、新しいことに挑戦しやすい。」というお話を伺って、「松山の人の温かさが、松山の産業を支えている」といった今まで気がつかなかった松山の良さを発見することができました。 大久保さん、ありがとうございました!

サマリー画像 サンキュー